持続可能なリサイクルのために

よつ葉乳業ではお客様の利便性向上を目指し、
キャップ(上ぶた)付き紙容器バリエーション強化を
取り進めております。
一方、適切なリサイクルシステム維持や環境負荷の低減を目的に、
お客様へお願いしたいことがあります。

リサイクル活動は限りある資源の有効活用により、環境負荷低減を目的とした循環型経済の基本ともいうべき活動です。
皆さんの協力が環境維持に反映、よりよい社会づくりへとつながる活動であることをご理解いただき、適切なリサイクル活動にご協力ください。

リサイクル活動の概念図

容器包装リサイクル法※環境省のサイトへリンクします

紙パックリサイクルの現状

リサイクルされた紙は再び紙製品に生まれ変わります。

  • 1.家庭→回収拠点(スーパーマーケット、学校など)
  • 2.回収(古紙問屋など)
  • 3.製紙メーカーにて再生
    溶解

    洗浄(油分離)

    抄紙
  • 4.古紙パルプ
  • 5.加工メーカー

紙パック取扱い量
全国一位のパイオニア

株式会社山田洋治商店:代表取締役社長 山本信之 様

1984年、紙パックリサイクル運動の創成期から回収に携わってきた「山田洋治商店」。よつ葉乳業との関わりも深く、牛乳パックの回収ネットワークがまだできあがっていない頃から、よつ葉牛乳共同購入グループの呼びかけに応えて回収に動き、リサイクル運動を支えてきました。時代に合わせて、牛乳パックの形も、古紙再生を取り巻く環境も変わりつつある中、紙パックと向き合い、リサイクルを見つめ続けてきた回収メーカーに、リサイクルの現状とこれからについて語っていただきました。

紙パックリサイクルの現状について

スーパーから自治体、企業、学校まで、古紙のあるあらゆるところに回収にお伺いするのが、私たちの業務です。紙パックは固いですから、パッカー車というプレス式の車で圧縮しながらなるべく1台の車で効率よく回収するようにしています。予めプレスされている紙パックの塊を引き取りに行くこともありますね。工場に持ち帰った古紙は、製紙メーカーのオーダーに合わせて、破砕機で処理したり、固めて塊にしたりして再生紙工場に送り届けます。現在では全国の約2割、関東の約6割の紙パックを回収しています。古紙回収量のうち、約5分の2が紙パックです。

紙パックリサイクルの課題

キャップ(上ぶた)付きの牛乳パックが多いですが、キャップが付けられたまま資源ごみとして出されるケースは、ほとんどありません。多分、そのほうがリサイクルしやすいということを消費者の皆さんはご理解されている。ただ、キャップの注ぎ口については、まだ切り離していないケースがまだ見られますね。でも、こればかりは「なるべく、とっていただきたい」としか言えません。牛乳パックには(キャップの注ぎ口も)リサイクルできますと書いてありますから。

「キャップ付き」についてのお願い

牛乳パックを切り開くには、力も結構いりますし、手先がうまく使えない方は苦労されるでしょう。現状、日々の忙しい生活の中で、開いて、洗って、乾かしていただいているので、その上で「絶対とってください」とは言えません。もちろん、回収する上で問題なくても、再生する上での課題はあります。しかし、消費者の皆さんにリサイクルを息の長い活動として無理なく取り組んでいただきたいという思いもあります。だから、「できるだけ、とってください」と、お願いしたいです。

消費者の皆さんへのメッセージ

回収業者は、紙をつくるために、紙を集めています。私たちは、それを皆さんに使っていただくまでがリサイクルだと思っています。トイレットペーパーなどの製品の中には、「牛乳パック再利用マーク」がついているものもありますから、古紙再生率だけでなく利用率にも注目していただき、ぜひ意識して古紙を使っていただけたらうれしいです。

株式会社山田洋治商店

埼玉県新座畑中2-16-36
TEL 048-479-6234

株式会社山田洋治商店外観

回収の流れ

古紙リサイクルのリーダー企業

丸富製紙株式会社:購買部 執行役員 中村信樹 様

山田洋治商店とともに、紙パックリサイクル運動を始まりから支えてきた製紙メーカー「丸富製紙」。よつ葉乳業との関わりは1990年、よつ葉牛乳共同購入グループの方々から「未ざらし(未漂白)のパックをリサイクルできないか」と持ちかけられたことが始まりで、それは日本初のブラウンカラーのトイレットペーパー「ピュアブラウン」の誕生へと結実しました。
現在も古紙再生の最前線で活躍する再生紙メーカーに、キャップ(上ぶた)付き紙パックの課題や古紙リサイクルへの思いをお伺いしました。

紙パックリサイクルの流れ

紙パックの材料は、紙繊維とポリエチレンです。リサイクルは、このふたつの材料を「パルパー」という機械で45℃前後の温水に離解促進剤を加えて紙繊維とポリチレンを分離するところから始まります。それからスクリーンという機械でゴミやインクを取り除く工程の後、紙繊維を何回も洗浄を繰り返し、抄紙機(しょうしき)でパルプを網の上で均一に吹き出し、乾燥させて巻き取ります。最後にトイレットペーパーの大きさに切り分けて完成です。1リットルの牛乳パック6枚で、トイレットペーパーが1個できあがります。

「キャップ付き」のリサイクルの場合

キャップ付き牛乳パックの注ぎ口が付いた状態で届くと、前述の「パルパー」の工程で、注ぎ口の部分が紙繊維以外のものとなります。弊社では、紙を乾かす時にポリエチレンを燃料として再利用しています。その設備がない企業は、ポリエチレンや注ぎ口部分の処理にも困ってしまいます。また、古紙は重量建てで購入させていただくので、キャップや注ぎ口が付いていると、コスト面での影響も出てきます。だから、消費者の皆様に「注ぎ口部分を外して」いただくひと手間は、とても大きな意味を持っていると思います。

古紙リサイクルのこれから

日本の古紙再生率、再生利用率が高いのは、回収の仕組みができあがっていることが大きいと思います。牛乳パックを「洗って、開いて、乾かして」消費者がひと手間かけてリサイクルしているのは、世界を見渡しても日本だけです。今後もこの利用率・再生率を維持・向上していくには、消費者の皆様、回収業者、再利用者が一体となって取り組んでいくことが必要だと考えます。牛乳パックは、リサイクルされない品扱いでしたが、今や立派な紙資源に変わった日本のリサイクル運動の象徴的な存在です。弊社としても工場見学などを通して、紙パックリサイクルの意識向上に取り組んでいきたいですね。

消費者の皆様へのメッセージ

再生紙メーカーである弊社にとって、再生紙でトイレットペーパーを製造する上で最も重要な原料は古紙です。これから先も、消費者の皆様に生活必需品であるトイレットペーパーを安定的に供給していくためには、古紙の確保は欠かせません。キレイな紙は、可燃ゴミではなく古紙として「資源ごみ(紙類)の日」に出していただくこと。ゴミの出し方を少し工夫すること。そんな一人ひとりの意識で古紙の回収量は増減します。ぜひ、皆様に古紙のリサイクルに強い関心をもっていただき、少しでも古紙の回収量が増加してくれれば幸いです。

丸富製紙株式会社

丸富製紙株式会社
静岡県富士市比奈678
TEL 0545-38-0103

丸富製紙株式会社外観

再生紙ができるまでの流れ

お客様へのお願い

紙パックはリサイクルに適した優れた容器であり、リキャップ機能が備えられたように、進化を続ける容器とも言えます。
一方、お客様の利便性向上のため、プラスチック素材を活用するようになってきており、適切なリサイクル環境を維持するためには、それに適した分別が必要となります。
よつ葉乳業は紙資源とプラスチック部分の分別にご協力をお願いしています。

牛乳パックの分別

のむヨーグルトの分別

牛乳パックの解体方法

❶ 牛乳パックの屋根部分の凹みに親指を入れ、指で接着部分を開きます。

❷ 開いた屋根部分から折り目に沿って、容器をハサミで切り開きます。
底面は3辺を切り、1辺を残します。

❸ 容器を完全に開いた後、注ぎ口の上部分にハサミで切れ込みを入れます。
※注ぎ口部分を切らないようにご注意ください。

❹ 切れ込みを入れた部分を掴み、持ち手を前後に動かすことで、
注ぎ口を紙パックからはがします。

❺ 注ぎ口を持ち、容器からはがし取ります。

のむヨーグルトの解体方法

❶ 容器底面を上にして、三角に折れている部分を開きます。

ハサミを使用しない場合

❷ 容器底面の接着部分が縦になるように持ち替え、親指で容器底面を強く押し、底を開きます。
容器底面を外側に取り出して、平に整えます。

❸ 容器底面から張り合わせ面に沿って、接着面を手で開きます。

ハサミを使用した場合

❷ 容器底面を外側に取り出し、平に整えます。
容器底面の接着部分をハサミで切り、端だけを残します。

❸ 容器底面からハサミを入れ、容器側面を切り開きます。

❹ 容器上部と下部の張り合わせ部分に沿って手で開き、
紙とプラスティック部分を分離します。

よつ葉の思い

環境に配慮したリサイクル活動は、限りある資源を有効に活用する循環型経済の基本です。
様々な環境問題がクローズアップされる中において、廃棄物の分別活動は小さなことと思われますが、
社会全体が参加することにより大きな成果を生むことができます。
環境を維持することは水や土のみならず生態系全体を守ることに繋がります。
よつ葉乳業はコーポレートスローガンである、「北海道のおいしさを、まっすぐ。」をお客様にお届けするために、
環境活動に取り組み続けてまいります。