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平成22年6月4日

第64回日本栄養・食糧学会大会 研究発表について
「乳脂肪球膜の摂取による冬季の肌質改善効果」

 よつ葉乳業株式会社(社長 堀部 一郎)は、乳の付加価値向上につながる研究を実施しております。このほど、乳脂肪球膜のさらなる機能性を検証し、ヒト試験から肌質改善効果が期待されることを明らかにしました。この研究成果につきまして、「第64回日本栄養・食糧学会大会」において下記のとおり学術発表いたしました。

1.研究発表概要
(1)演 題 名 乳脂肪球膜の摂取による冬季の肌質改善効果
(2)発 表 者 後藤英嗣、辻敏宏、明石啓子、元島英雅
(3)発表日時 平成22年5月22日
2.研究発表の要約
 乳脂肪球膜(MFGM)1) は、生乳中で乳脂肪を被膜して乳化に寄与している膜物質です。我々は、皮膚の経皮水分蒸散量2) が上昇し、見た目にも「あかぎれ」が認められるなどの肌質が悪化した、皮膚バリア機能が異常なモデルマウスへのMFGM投与試験を既に実施しており、その結果から、MFGMは荒れ肌を改善して肌質を美しく保つ機能を有していることを確認しています。
 そこで、ヒトでの効果の検証を目的に、冬季(2月)の北海道においてヒト試験を実施しました。その結果、肌荒れ、かゆみの自覚症状を有する選抜群において、顔での経皮水分蒸散量の測定から、MFGMの摂取によって有意に水分蒸散変化量が減少することを確認しました。さらに、体感効果に関するアンケート調査結果から、MFGM摂取によって顔での乾燥や荒れ肌などが有意に改善され、特に女性における「化粧のり」の顕著な改善効果が認められました。
 以上の結果から、MFGM摂取によって水分の喪失を抑える肌へと変化することで「化粧のり」が改善され、ヒトにおいても肌質を整える機能を有することが確認できました。これらの知見は皮膚機能改善組成物として特許出願済みです。
 なお、一連の研究は、(独)農業・食品産業技術総合研究機構の委託事業として実施しました。
1)乳脂肪球膜(MFGM)
 MFGMはMilk Fat Globule Membraneの略で、乳脂肪を包み込む膜として機能し、この働きにより乳脂肪が安定して乳中に存在できます。糖タンパク質主体の膜特異的タンパク質とリン脂質などの極性脂質を主成分とするため、乳の一般的な成分と性質が大きく異なります。
2)経皮水分蒸散量
  皮膚から蒸発する水分量のことで、皮膚がダメージを受けていると水分が逃げやすくなるために数値が上昇します。
*本研究内容の詳細は、こちらをご覧ください。
3.学会開催概要
(1)名称 第64回日本栄養・食糧学会大会
(2)会期 平成22年5月21日~5月23日
(3)会場 アスティとくしま(徳島県立産業観光交流センター)
<一般講演、シンポジウム>他

以上