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「乳脂肪球膜の摂取による冬季の肌質改善効果」
-第64回日本栄養・食糧学会大会での発表内容詳細-

<研究の背景と目的>

 乳脂肪球膜(Milk Fat Globule Membrane, MFGM)は、乳脂肪を被膜して油相/水相系での乳化に寄与している極めて特殊な膜物質ですが、そのために一般的な乳成分とは大きく異なります。我々は、バター製造時に発生する水相画分であるバターミルクを原料にした工業的なMFGMの製造方法を開発しており、MFGMの新たな機能性の探索を行っておりました。
 これまでに、動物試験によるMFGMの皮膚バリア機能の改善効果を確認していたことから、本研究ではさらなる肌質改善効果の検証を目的とし、冬季(2月)の北海道においてヒト試験を実施しました。

<研究の内容>

 健康であるものの、冬季の肌荒れやかゆみの自覚症状を有する男性と女性を選抜し、MFGM摂取群(被験食品群)および脱脂粉乳摂取群(対照食品群)によるダブルブラインドテストを行いました。以下には、本研究の実施概要を示しました。

<実施概要>

・実施時期 : 2009年2月 北海道
・試験デザイン : 二重盲験並行群間試験
・摂取食品 : MFGM粉末(被験食品)、脱脂粉乳(対照食品) (*1)
・被験者 : 被験食品群=19名(女性12名)、対照食品群=18名(女性13名)
・摂取方法 : 朝、昼、夜の毎食後に約1 gずつ、1日あたり3 gを摂取。
・実施期間 : 4週間
・検査測定項目 : 医師診察、理学的検査、血液・尿検査、アンケート調査、
 皮膚水分蒸散量(顔・左眼下約1 cm部)
(*1) いずれも錠剤とし、配合割合は同一としました。

1. 顔の肌における水分蒸散量へのMFGMの作用

 顔の肌における経皮水分蒸散量を測定し、その蒸散変化量の結果を図1で示しました。両食品群とも、摂取開始から2週目までは蒸散変化量は上昇しました。しかし4週目においては、対照食品群では引き続き蒸散変化量は上昇したのに対し、被験食品群では低下を示し、対照食品群と比べて有意な低値(約1/2.75)を示しました。

図1. ヒトの顔の肌における水分蒸散変化量

平均値±標準偏差で示していますが、エラーバーは便宜的に、対照食品群で正の部分、被験食品群で負の部分のみの表記としています。 #, vs対照食品群(p<0.05)。

2. MFGMの体感効果 〜顔の肌に関するアンケート調査〜

 顔の肌アンケート結果を表1で示しました。両群とも、全項目において、摂取2週目までは高スコアが示されたものの群間に大差は認められませんでした。しかし摂取3週目以降は、対照食品群では顕著な高スコア化は示されなかったのに対し、被験食品群ではより顕著な高スコア化が示され、摂取4週目には全項目において対照食品群と比べて有意な高値が認められました。特に女性では「化粧のり」の改善が顕著でありました。
 なお、一連の医師診察、理学的検査および血液・尿検査では、臨床上問題となる有害な影響はありませんでした。

項目 経過週数
1 2 3 4
顔の乾燥 対照食品 0.4 ± 0.6 ** 0.7 ± 0.8 ** 0.4 ± 0.9 * 0.5 ± 0.9 *
被験食品 0.6 ± 0.7 ** 0.8 ± 0.5 ** 0.8 ± 0.5 ** 0.8 ± 0.8 ** #
顔の荒れ 対照食品 0.1 ± 0.5 0.4 ± 0.6 ** 0.2 ± 0.8 0.1 ± 0.8
被験食品 0.4 ± 0.6 ** 0.4 ± 0.6 * 0.7 ± 0.7 ** # 0.5 ± 0.9 ** #
顔の色つや 対照食品 0.2 ± 0.4 0.2 ± 0.5 0.1 ± 0.4 0.1 ± 0.5
被験食品 0.3 ± 0.6 * 0.3 ± 0.6 0.5 ± 0.6 ** # 0.4 ± 0.7 ** ##
顔の透明感 対照食品 0.0 ± 0.0 0.1 ± 0.3 0.1 ± 0.4 0.2 ± 0.5
被験食品 0.2 ± 0.5 0.2 ± 0.5 0.3 ± 0.7 0.4 ± 0.7 ** #
化粧のり
(女性のみ)
対照食品 0.3 ± 0.6 0.3 ± 0.8 0.0 ± 0.8 0.3 ± 0.9
被験食品 0.6 ± 0.5 ** 0.5 ± 0.5 ** 0.6 ± 0.5 ** # 1.0 ± 0.7 ** #
表1. 顔の肌に対するMFGMの体感効果

平均値±標準偏差で示しています。摂取前を「0」とし、「良くなった:2」、「やや良くなった:1」、
「変化なし:0」、「やや悪くなった:-1」、「悪くなった:-2」としてスコア化し、解析しました。
*, **, それぞれの群で、摂取前「0」と比較して有意差あり(*p<0.05, **p< 0.01, Paired-t)。
#, ##, vs 対照食品群(#p<0.05, ##p< 0.01)。

ヒト試験でのMFGM摂取による肌質改善効果の一連の結果を以下にまとめます。
・顔の肌での水分蒸散量の上昇を抑制することが示されました。
・顔の乾燥、肌荒れなどへの改善効果が体感され、特に女性では「化粧のり」の改善が顕著でした。

以上