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Effect of Lactococcus lactis subsp. cremoris YRC3780 on birch pollinosis: a​  randomized, double-blind, placebo-controlled clinical trial.​

研究の背景と目的

近年、北海道におけるシラカバ花粉症の有症率は増加傾向にあり、かつリンゴやモモなどの果物アレルギーを​併発している例も多く、花粉症の予防や症状の軽減に効果が期待でき、日常生活で手軽に摂取できる食品への関心​が高まっています。​
そこで、動物試験抗アレルギー作用が期待されたケフィアから分離した当社保有乳酸菌YRC3780株を摂取する​ことで、シラカバ花粉症状を緩和することができるかについて検証することとしました。​

研究概要

<方法>​
披験者はシラカバ花粉症患者男女114名で、プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験を実施しました。摂取期間は​花粉飛散時期を含む12週間(2016年3月20日~6月12日)で、YRC3780株(109個/日:28名)あるいはプラセボ(29名)を摂取​させました。評価項目は、症状スコア、薬物スコアおよび血液検査で実施しました。​

 

<結果>​

症状スコアで有意差は得られませんでしたが、YRC3780株を摂取することで、プラセボ摂取群に比べて、血中TARC​濃度と薬物スコアが有意に低いことが確認されました(図1,2)。​
以上の結果から、1日当たり109 個以上のL. lactis subsp. cremoris YRC3780株を摂取することで、シラカバ花粉症状​を緩和することが確認されました。​

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図1.薬物スコア変化量​
5~6週目で、プラセボ群に対してYRC3780群で有意に薬物スコアが低かった。

img_gakkai02-02

2血中TARC変化量
12週目で、プラセボ群に対してYRC3780群で有意に毛TARC濃度が低かった。

※変化量​
前観察期もしくは摂取開始時(0週目)を基準(0)とし、それに対する変化量で表示​

 

※薬物スコア​
花粉症薬(内服薬、点鼻薬、点眼薬)の使用量に応じて点数化した指標。薬の種類毎に点数化されており、1日常用量を標準としました。​

 

※TARC (Thymus and Activation-regulated chemokines)​
白血球遊走作用を持つケモカインの一種で、リンパ球の1つであるTh2細胞を病変局所に引き寄せて、​IgE産生や好酸球の浸潤・活性化させ、アレルギー反応を亢進させる働きをします。​