環境活動
環境マネジメント
よつ葉グループ環境方針
よつ葉グループ企業行動憲章「よつ葉Way」に則り、環境問題への取り組みは、企業活動における社会的責任として必須の要件と捉え、企業活動に伴う環境負荷の低減、および地球環境保全と循環型社会の実現に努めます。
- 1
- 牛乳・乳製品の商品開発から原材料調達、製造、流通販売の一連の事業活動を通じて、自然環境との共生に取り組みます。
- 2
- 環境に関する法令を順守します。
- 3
- 環境マネジメントシステムを全従業員で積極的に運用し、継続的改善を確実に行います。
- 4
- 全従業員の環境教育を行い、一人ひとりの環境意識の向上に努めます。
- 5
- 当方針を全従業員に確実に周知するとともに、社外にも公開します。

※1:全社の環境活動に関する目標を決定します(環境経営戦略会議)。
※2:全部門、関係会社における活動計画の立案、進捗管理を行います。
また、環境関連法規制に関する情報共有を行います(環境保全委員会)。
ISO14001※3(環境マネジメントシステム)認証取得状況
年度 | 内容 |
---|---|
1999年度 | 東京工場取得 |
2001年度 | 十勝主管工場、根釧工場、オホーツク北見工場、宗谷工場取得 |
2017年度 | ISO14001:2015年版への移行完了 |
2019年度 | くみあい乳業(株)取得 (グループ会社である、とみん自動車運輸(株)(現・よつ葉カーゴネット(株))はグリーン経営認証※4を取得) |
2020年度 | 本社部門、関係会社(よつ葉物流(株)、くみあい乳業(株)、よつ葉テクノサービス(株))を含め、全社で取得 |
※3:ISO14001とは
国際標準化機構(ISO)が発行する「環境マネジメントシステム」に関する国際統一規格の一つです。
環境マネジメントシステムとは、企業等が環境への負荷を考慮しながら事業活動を進めていくためのしくみです。
※4:グリーン経営認証とは、財団法人交通エコロジー・モビリティ財団が国土交通省と連携し、運輸業界における環境負荷低減の取り組みを審査、認証登録する制度です。
環境目標・実績
環境目標
よつ葉乳業では2023年度~2025年度の3年間の中期的な環境目標を設定しました。
これは、同じ期間を対象とする中期経営計画と連動した取り組みとするためです。
気候変動抑制に関するパリ協定の発効など国内外の状況を考慮し、中長期的な数値目標を設定しています。
地球環境と、地域の環境を将来にわたって守っていくため、環境目標達成に向け真摯に取り組みを進めていきます。
目的 | 目標 | 基準 | 2024年度目標 | 2025年度 (最終年度) 目標 |
---|---|---|---|---|
脱炭素社会の実現 | 事業活動に伴い排出するCO2を削減する | 2013年度 (118,620t) |
86,431t以下 (基準年比27.1%削減) |
84,565t以下 (基準年比28.7%削減) |
流通上エネルギー使用量原単位を削減する | 前年度 | 前年度比1%削減 | 前年度比1%削減 | |
フロン類の年間漏えい量を低減する | ― | 1,000t未満 (CO2換算) |
1,000t未満 (CO2換算) |
|
循環型社会の実現資源の有効活用 | 容器包装の石油由来プラスチック使用量を削減する | 2020年度 (1,522t) |
基準年比2.7%削減 | 1,445t (基準年比5.0%削減) |
環境配慮型製品(商品)の開発・販売 | ― | 2品以上 | 2品以上 | |
廃棄物最終処分量を削減する | ― | 55t以下 | 55t以下 | |
廃棄物リサイクル率を高水準で維持する | ― | 97%以上 | 97%以上 | |
産業廃棄物プラスチック排出量削減 | ― | 250t未満/年 | 250t未満/年 | |
水使用量原単位を削減する | 前年度 | 前年度比1%削減 | 前年度比1%削減 | |
コピー用紙使用量を削減する | 前年度 | 前年度比2%削減 | 前年度比2%削減 | |
社会とのつながり | 全社員参加による環境保全活動の実施 | ― | 100% | 100% |
環境に有益な影響を与える業務の推進 | ― | 100% | 100% |
2023年度の実績 各部門における実施率
当社の環境目標のうち、主要な項目への取り組み実績の抜粋です。
![]() | たいへんよくできました | ![]() | あと一歩 |
目標 | 2023年度実績 | 自己評価 |
---|---|---|
CO2排出量を、2013年度を基準として25.6%削減する | 2013年度比22.0%削減 | ![]() |
物流上のエネルギー使用量原単位を前年度比1%削減する | 前年度比0.4%削減 | ![]() |
目標 | 2023年度実績 | 自己評価 |
---|---|---|
廃棄物最終処分量を55t以下とする | 41.3t | ![]() |
廃棄物リサイクル率97%以上 | 97.2% | ![]() |
目標 | 2023年度実績 | 自己評価 |
---|---|---|
水使用量(原単位)を前年度比1%削減する | 前年度比1.0%増加 | ![]() |
目標 | 2023年度実績 | 自己評価 |
---|---|---|
フロン類の年間漏えい量1,000t-CO2未満(CO2換算) | 漏えい量811t-CO2 | ![]() |
目標 | 2023年度実績 | 自己評価 |
---|---|---|
コピー用紙使用量を前年度比2%削減する | 前年度比6.2%の削減 | ![]() |
目標 | 2023年度実績 | 自己評価 |
---|---|---|
全社員参加による環境保全活動の実施 (1回/年/人以上)※参加率100%を目指す |
参加率100% | ![]() |

LNGやLBMへの燃料転換
LNGへの燃料転換
LNG(液化天然ガス)は石炭や重油に比べてCO2の排出量が少ない燃料です。当社の工場では従来、重油を使用していましたが、2012年に十勝主管工場の新乳製品工場建設に際し、脱脂粉乳製造設備の一部でLNGを採用しました。新しい設備では生乳を乾燥させる熱風の熱源にLNGを利用しています。
これを皮切りに、他工場でも重油からLNGへの燃料転換を進め、現在では自家発電設備を含むほとんどの燃料をLNGまたは都市ガスに置き換えました。これにより、CO2排出量を大幅に削減することができました。
また、LNGへの転換にあたっては貫流ボイラーと呼ばれる設備を導入し、製造量に応じて柔軟に出力を調整するなど、より高効率な運転により一層省エネができるようになりました。




LBMの商用利用開始
一方で、化石燃料には限りがあるため、代替エネルギー利用促進の重要性が近年高まっています。また、酪農生産者においては、乳牛のふん尿の臭気や、たい肥として利用する際の手間やコストが課題でした。これらの課題を解決し、エネルギーの地産地消化による循環型社会の実現を目指すため、エア・ウォーター株式会社と協働し2021年より、当社十勝主管工場においてLBM(液化バイオメタン)を燃料として活用する実証実験を行いました。様々な試験を経て問題がないことが確認され、2024年度より日本初のLBM商用利用を開始しました。
本取り組みは一般財団法人新エネルギー財団主催「令和6年度新エネ大賞
表彰式」にて「新エネルギー財団会長賞」を受賞しました。
乳製品工場のエネルギーとして、家畜ふん尿由来の未利用バイオマスを活用し、商業化に踏み出した点がサプライチェーンのモデルとして評価されました。

一般財団法人新エネルギー財団HP >

ノンフロン冷媒機器の導入
よつ葉乳業では多くのフロン機器を所有しています。フロン類は大気中に放出されると、同量の二酸化炭素と比べて数百倍から一万倍もの地球温暖化に対する影響があること、オゾン層を破壊する原因となることが知られています。当社では「フロン排出抑制法」で定められた管理・点検を実施し、機器からのフロン類漏えいを未然に防止しています。
しかし、どれほどしっかり維持管理を行っても、フロン類の漏えいを
100%防げるわけではありません。そこで、抜本的な対策として、2015
年度の環境経営戦略会議において、ノンフロン機器への置換を進める方針を決定しました。漏えい時の影響が大きい機器から優先的に更新を進めていった結果、大型フロン機器(法で定める「定期点検」対象)は、2017年には最大167台ありましたが、2024年には115台にまで減りました。
一例として、十勝主管工場では 2018
年度の新市乳冷蔵庫および生産保管庫の冷凍機更新に際し、CO2冷媒の機器を導入しました。これにより、フロン類の漏えいによって環境に大きな負荷をかける危険が無くなりました。



自然冷媒導入推進
よつ葉グループでは環境省・経済産業省の補助金を積極的に活用し、新たな省エネ型自然冷媒機器等を導入することで、CO2排出量の削減を目指しています。また、今後新設または更新によって導入する機器の100%を自然冷媒機器とします。
年度 | 工場 | 設備 | 補助事業名 |
---|---|---|---|
2018年度 | 十勝主管工場 | CO2冷凍機 | 平成30年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(脱フロン・低炭素社会の早期実現のための省エネ型自然冷媒機器導入加速化事業) |
東京工場 | CO2冷凍機 | 平成30年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(脱フロン・低炭素社会の早期実現のための省エネ型自然冷媒機器導入加速化事業) | |
宗谷工場 | LNGボイラ | 平成30年度省エネルギー投資促進に向けた支援補助金(エネルギー使用合理化等事業者支援事業)II設備単位 | |
2019年度 | 十勝主管工場 | CO2冷凍機 | 2019年度(平成31年度)二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(脱フロン・低炭素社会の早期実現のための省エネ型自然冷媒機器導入加速化事業) |
物流施設 (札幌市) |
CO2冷凍機 | 2019年度(平成31年度)二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(脱フロン・低炭素社会の早期実現のための省エネ型自然冷媒機器導入加速化事業) | |
物流施設 (釧路市) |
CO2冷凍機 | 2019年度(平成31年度)二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(脱フロン・低炭素社会の早期実現のための省エネ型自然冷媒機器導入加速化事業) | |
オホーツク北見工場 | LNGボイラ | 2019年度(平成31年度)二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(先進対策の効果的実施による二酸化炭素排出量大幅削減設備補助事業) | |
2020年度 | 十勝主管工場 | CO2冷凍機 | 2020年度(令和2年度)二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(脱フロン・低炭素社会の早期実現のための省エネ型自然冷媒機器導入加速化事業) |
2021年度 | 宗谷工場 | CO2冷凍機 | 2021年度(令和3年度)二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(脱フロン・低炭素社会の早期実現のための省エネ型自然冷媒機器導入加速化事業) |
2024年度 | 十勝主管工場 | CO2冷凍機 | 2023年度(令和5年度)二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(コールドチェーンを支える冷凍冷蔵機器の脱フロン・脱炭素化推進事業) |
自社内のすべての主要冷凍冷蔵機器のうちの自然冷媒機器の占める割合(台数ベース)の目標を2030年及び 2040年にそれぞれ達成することを目指します。
達成を目指す、既設機器を含めた自社内のすべての主要冷凍冷蔵機器のうちの自然冷媒機器の占める割合。
既設機器を含めた転換目標
2030年
2040年
自然冷媒機器が占める割合(%)
52%
65%

牛乳パックリサイクル
牛乳パックをはじめとする紙パックは質の高い紙資源であり、トイレットペーパー等にリサイクルすることが可能です。しかしその回収率は40%前後にとどまっています。
よつ葉乳業では少しでも紙パックのリサイクル率を高めるため、様々な取り組みを行っています。
その活動の一つが「よつ葉ミルクフェスタ」での牛乳パック回収。ミルクフェスタは当社最大の工場であり創業の地にある十勝主管工場に、年に1回地域の皆様をお招きする工場開放イベントです。その中で牛乳パック回収コーナーを設け、お持ちいただいたパックを、牛乳パックをリサイクルして作られたトイレットペーパーと交換しています。毎年大盛況で、1万枚以上の紙パックを回収させていただいています。


山積みのトイレットペーパーがあっという間に無くなります。

「よつ葉の森」保全活動
よつ葉乳業は、北海道苫小牧市植苗に約5ヘクタール(札幌ドームの3.5倍の面積)の山林を所有しています。ここはウトナイ湖に近く、さまざまな木々や植物(山菜、ミズバショウの群落など)のほか、エゾシカ等の野生動物の足跡も確認できる、とても自然豊かな環境です。
ところが、そこに植えられていた木々は樹齢50年以上を経過し、台風による倒木などで荒廃していました。そこで、専門機関のご指導のもと「自然環境を最大限に生かした整備」として、倒木を伐採し、新たに苗木を植樹する「森づくり」を進めています。
2009年に開始したこの活動ですが、コロナウイルスの影響で2020、2021年度は中止したものの、2022年度から再開しました。
近年では地上に日光が届くよう余分な枝を落とす「枝打ち」の作業を行いました。

この木はクリーンラーチといい、2008年の洞爺湖サミットで各国の首脳が記念植樹した木です。
成長が早く炭素固定能力が高いのが特徴です。

倒木の根もあり苦労しました。



肥料を与える作業を行いました。


追加植樹を行いました。







事業所周辺清掃活動
各事業所で地域をきれいにする活動を行っています。



