先輩社員の声

製品をつくる難しさ、売る難しさ、
どちらも知っていることが武器になる。

佐藤 渡(さとう わたる)

出身学部
大学院水産科学院 海洋応用生命科学専攻
部署名
研究統括部 中央研究所
入社年
2010年4月

部署の紹介

Q.中央研究所の業務内容について教えてください。

家庭用・業務用製品の研究開発などを行っています。

中央研究所の業務には、家庭用製品の開発、業務用製品の開発・改良、製品品質向上のための衛生微生物の研究、乳成分の機能性や新規乳酸菌の探索、産学官の共同研究などがあります。

研究員18名、事務職員2名の合計20名が所属していて、職場が北広島市の郊外にあるため、ほとんどの人が札幌から車で通ってきています。所員はみんな非常に仲が良く穏やかな雰囲気の職場で、広い敷地を利用してバーベキューをすることもあります。

私は主に、ソフトクリームの原料となるソフトミックス、アイスクリームやクリームの新製品開発・改良と営業活動の支援をしています。通常、製品の開発には半年から1年間かかるのですが、海外輸出向けのソフトクリーム開発を担当していた時は、約3カ月間で開発を行い、製品化したことがあります。お客様が海外にいるので試作品の提出や商談の回数が限られる中、関係部門の協力を得て、何とか期限までに製品化できたことは自信につながりましたし、その後、厳しいスケジュールを求められた場合でも、何とかできる方法があるのではないかと前向きに考えるようになりました。

転機

Q.仕事をする上で、転機となった出来事はありますか?

営業を経験し、製品を販売する難しさを実感しました。

転機となったのは、東京支店に異動となり2年間営業を経験したことです。
入社して約2年間、中央研究所で家庭用製品の研究開発に携わった後、知見を広げるため、東京支店で業務用製品の営業を担当しました。

最初は、営業担当者の商談に同行して製造に関する専門的な話を受け持ったり、製品開発に取り組んだりと、本来の営業とは少し異なる業務をしていたのですが、少しずつ自分で担当を持って取引先を訪問したり、飛び込み営業を行うようになりました。

中央研究所の業務では、製造や品質管理の知識を身に付けることはできますが、どうやって売り上げを立てるか、利益を出すか、どのような製品がお客様に本当に求められているのかといった視点が欠けてしまうことがあります。直接お客様と商談をしてみて、実際に製品を販売することがどれだけ大変なのかが実感できました。

製品の売り上げが伸びない時、その原因について研究開発側と営業側の意見が異なる場合があります。私はどちらの業務も経験しているので、どこに原因があるのかについて客観的に考えられるようになったと思っています。

会社のサポートについて

Q.スキルアップのための教育体制について教えてください。

定期的に行われる研修。社外の人と接する機会は刺激を与えてくれます。

新入社員研修や中堅社員研修など、経験年数や役職によって定期的に研修が行われています。その他に、中央研究所では海外で行われる学会やセミナーに参加する機会があります。また、経営的な視点を身に付けることを目的とした異業種交流研修にも参加しました。この研修は、約半年間(月1回、1~2日間)かけて異業種の方々と受講するものだったのですが、他の会社の方々と意見を交わすことによって、考え方や仕事の進め方の違いを感じました。研修などによっていつもとは違う経験をさせてもらえることは良い刺激になっています。

福利厚生

Q.どのような福利厚生がありますか?

オン、オフともに福利厚生を活用しています。

シンガポールで行われるアイスクリームに関するセミナーに参加するため、英語が苦手な私は、約3カ月間英会話教室に通ったことがあります。週1~2回外国人講師からレッスンを受けたのですが、その受講料を会社が負担してくれました。

他には、毎年秋に事業所対抗野球大会を開催しています。これは、本社、各工場、各支店の草野球チームが集まって試合を行うものです。人数が少ないところは合同チームを組んだり、普段はなかなか顔を合わせることができない社員と交流できる機会なので、毎年楽しみにしています。

学生へのメッセージ

1つの原料が持つ可能性に魅力を感じています。

乳(にゅう)のおもしろさは、加工の仕方によっていろいろな製品ができるところです。生乳(牛から搾った乳)はそのまま殺菌すると牛乳となりますが、生乳から脂肪分を取り出すとクリームやバターをつくることができ、脂肪分以外の部分からは脱脂濃縮乳や脱脂粉乳を作ることができます。また、生乳を乳酸菌で発酵させるとヨーグルト、生乳にレンネットを入れるとチーズができます。生乳という1つの原料からたくさんの製品が生み出されるところに魅力を感じますし、奥が深いと思っています。当社では、業務用製品を中心に一通りの乳製品を製造しておりますので、研究所にも一通りの試作設備があり、幅広く乳製品に関わることができます。

また、現在は業務用製品の売り上げが8割近くを占めていますが、今後は家庭用製品の売り上げ割合を増やしていく方針です。開発品目の増加が予測されるため、これまで以上に中央研究所にかかる期待は大きくなってきています。私が入社したころと比べると若い研究員が多くなりましたし、研究開発に関わる設備投資も増えていくと思いますので、失敗を恐れずに新しいことにどんどんチャレンジしていける職場にしていきたいです。

キャリアについて

  • 2010年 大学院水産科学院 海洋応用生命科学専攻 修了
  • 2010年 入社 生産本部 中央研究所
  • 2012年 東京支店 乳食品販売課
  • 2014年 研究統括部 中央研究所